今回、コンテスト作品制作期間に試作ベアとして生まれた小さなベアちゃんをご紹介いたします。
新しいサイズの小さなベア制作の構想は二年ほど前から初めていたのですが、なかなか思うような形にならず、
断念したまま滞っておりました。
制作開始は二年前に遡ります。
Sugar Pumpkinsのベアたちのサイズはオリジナルサイズの
31㎝700g前後のものを主軸として、
Petit pique-niqueサイズ
18㎝ 200g前後の子たちの2サイズを制作していました。
これはSugar Pumpkinsのベアたちの細部の表現のクオリティが小さくても制作可能であるかが重要だったのでtwoパターンの子たちに落ち着いていたのですが…。
これよりも小さい15㎝以下サイズ部門のコンテスト、
カテゴリーAが日本テディベア協会主催によるテディベアコンベンションコンテストの枠組みにあり、ここに応募出来るサイズの子を作るために始めた挑戦でした。
時が経ち、2024年の夏前に。
Sugar Pumpkinsのベアたちをたくさんお迎え頂いたご主人様がご自身の体調の事で大きな入院、手術が重なり、その方へのお見舞いの気持ちと元気や喜びをお届けしたい!
という想いを込めて、
その方の大変想い入れの深い小さな子。
160gの身体でシュガパンっ子をお作りして、喜んでいただける様に。
元気や幸せを籠めてお届けしたいなという気持ちが生まれました。
コンテストとしてのクオリティばかりに目を向けるのでは無く、誰かの喜びの為につくろう!
そうして誕生したのがタピちゃんです。
今までの考えを変えて、小さいことで出来ない表現を新しいものに変えていくこと。
小さいからこその魅力で可愛さや作品としての存在感や個性を大事に考えていくこと。
そして何より、お贈りする方の喜びを真ん中に置いて考えたことで、どんどんインスピレーションが湧いてきました。
お手手や足の肉球はほぼ刺繍表現で手のひら部分にしか綿詰めが出来ません。足裏の刻印と背中の赤タグも、
耐久性の問題や背中の触り心地を考えると相性が良くないなと感じ、着けていません。
この辺りはコンテストのベアたちの様にシンプルに纏めています。
お家探しの子としてタグを着ける際には新たに違う物を考えてあげたいところだなと感じました。
全体的に排除する表現は思い切り、だけれどお顔やシュガパンなりの拘りは感じられる様に。
大切な人の喜びを主軸にしていたら、とっても可愛らしく仕上げられました。
お爪はちっちゃくても樹脂コートされています!
ピカピカしています。
お鼻の表現も刺繍と樹脂コートでピカピカに仕上げています
普段はオリジナルキャストの鼻が使われていますが、これはこれでキャンディーの様で
とっても気に入った仕上がりになりました。
今回は試作とお見舞いの祈り込めたプレゼントの子だったので、たくさんの学びを抱えて、
また新たにカテゴリーA小さなベアに挑戦したいと思います。
それはコンテストへの挑戦と、この子と一緒に暮らしてみたい!
そんなお声を頂けたら是非。可愛く誕生させてみたい!
そんな目標も与えてくれたちっちゃくても大きな存在のベアちゃんです。
2023年に約一年間のお家探し期間を行い、ベアたちそれぞれの新しい暮らしに触れました。
冒険たっぷりのお出かけの子や
我が子の様に愛され、兄弟と楽しく暮らす子。
苦しい時も寂しい時もいつも一緒に寄り添って。共に幸せのお庭を見つけた子。
たくさんの思い出の中にSugar Pumpkinsのベアたちが一緒に過ごして経験して。
私に生き甲斐や人生の喜びを伝えてくれました。
やっぱり誰かの想いに寄り添うベアが私の制作のすべてで、コンテストへの挑戦も皆の喜びの為に挑むのだろうと思います。
ベア達の誕生はゆっくりですが、これからもお見守り頂ければ幸いです。