ドイツ開催の最高峰テディベアコンテスト、TEDDYBÄR TOTAL(テディベアトータル)にて
二度目の挑戦となりましたベア作品で初のノミネート選出を頂きました。
2023年4月29日、
開催地ドイツ・ミュンスターにてファイナル決勝戦が行われ
Golden George WINNER 優勝に輝くことが出来ました。
コンテスト出展作品タイトル
コンテスト応募は4パターンの画像による審査が行われます。
前面、アップ、背中、もうワンカットイメージ画像
今回は審査に使われる画像を重点的に。いつもコンテスト作品撮影でお世話になっている
光画屋 ~空~ さんに撮影して頂きました。
この作品は今までの幼い、愛らしいSugar Pumpkins bearたちと
少しだけイメージを変える目標で取り掛かり
青年らしい、大人びた印象を見せるベアをイメージしていました。
甘えん坊で思わず抱きしめたくなるような、守ってあげたいベアたちから
ほんの少し成長した。頼りがいのある、包容力のある眼差しと
強く信念を持つような目の輝きを意識して制作をしていました。
そのため作品タイトルを
私の恋人。あなたを愛する自分に自信を持つ。あなたを愛していることを誇れるような。
そんな強い信頼関係で結ばれている 絆 を大切に想う気持ちで生み出した子です。
文字通り、彼は私に大きな自信と勇気を与えて世界の舞台に挑戦をしてくれました。
TEDDYBÄR TOTAL(テディベアトータル)は今までの歴代受賞作品を見ても私の作品は
所謂オーソドックスなベアとは違う、異色な作品という印象が強くあること。
世界が【テディベアとして】この作品を受け入れてくれるのだろうか?
それが挑戦であり、勝負所となるように感じていました。
Sugar Pumpkinsは日本のテディベア。
それを世界の舞台で認めさせるためには
Sugar Pumpkinsはこの作風で勝たなければ意味が無い。
彼の名前は旅が終わり、すべての物語が出来上がってから。
と、なんとなく未定のままでしたが、今はこれ以上にない一番の名前が決まりました。
-Brown sugar George-
初めての世界大会優勝。私に自信を与えてくれた恋人。
彼の名前は -George-です。
ドイツの世界大会teddybearTOTALにて初めて優勝した、
GoldenGeorge獲得作品です。
少し大人びた表情のベアを目指し、今までのあどけなさ残るシュガパンベアとは違う印象のベアに仕上げました。
ドイツコンテストを勝ち抜く為に、海外の方にもご評価頂けるベアの表情を。かわいらしさだけではなくアンティーク感や高級感を漂わせる、趣あるベア作りに試行錯誤しました。
また、ドイツコンテストのカテゴリーではアクセサリー1点の付属が出来るのですが、毛並みの流れや首元のラインを綺麗に見せる為にシンプルなベルのネックレスのみとしました。
お顔まわりと手先はベビーアルパカを染色しましてボディと一体感のある色味に。短く刈り込んだマズルから柔らかな
頬や額への流れを意識して彼の表情を豊かに魅せることにとても拘りました。
座りポーズを中心に足は少し前に位置しており、背中、お尻のシルエットも可愛らしく全体的に見せ所の多い作品に纏まったと感じています。
何よりもオープンマウスからクローズドに仕上げた、舌をペロリと出しているお口の子。シュガパン独自の技法で世界一の賞を獲得できたことがとても嬉しく感じました。
瞬きしそうなお目目に、美味しいものが食べたそうなお口。
生き生きとしたお顔のテディベア。
それがSugar Pumpkinsです。
アルパカの毛染めから始まり、非常に時間をかけて制作した子です。
家庭生活や子育ても集中しなければならない日々が続き、静かにベア作りの炎を燃やすことを絶やさずに。少しずつ制作に取り掛かりました。teddybearTOTALは世界の作家が一同に集まる現時点最高峰の戦いと感じていた為、長い目での挑戦をと捉えていましたが、Sugar Pumpkinsを五年続けてきて、今が一番シュガパンらしさが見えてきた時期でもあると感じていました。
ものづくりはある意味、自分の力に自信がなければ戦えない。とも考えています。
この子で行けなければ、ちょっと考えなきゃならない。この子を認めてもらえなければシュガパンという表現がどういうものなのか、今までの答えが分かる。そういう大きな挑戦を投げかけている作品でした。
日本にいる間はその様な強い気持ちで臨みもしましたが、やはり世界に出てみると心は成長していきます。
世界の作品。そして世界に臨む人々にとても感化されて、ここが天井ではない。まだまだ大きな空を感じました。
本当に大きく、縦横無尽に飛び回る素晴らしい作風の人々がこれほどに多くいる。
コンテストだけれど、それは勝ち負けではなく、自分の作品を信じてのびやかに表現し続ける。
戦う、という表現とは違う。称えあっている。
そんなふうに熱い友情にも感じるような世界でした。
素晴らしい経験と学びを与えてもらい、その仲間入りをさせて頂けた。
この度のノミネート、賞はそんな新しい扉の門口に立つような貴重な経験を頂けた宝物です。
自分の作りたいもの。形にしたい想い。そういうものに目を見て向き合って、問いかける。
もっともっとそれが大切になっていくように感じています。
世界の空に高く高く飛ぶほどに。
もっともっと、自分の深い海の底に潜らなければ見えてこない。
本当に不思議なものづくりの世界に飛び込んだものだと。強く感じています。
今後の作品も楽しみにして頂ければ幸いです。