✩2022コンテスト金賞受賞ベア✩

2022年度は家庭での子育てが忙しくなり、ベアの制作販売はお休みをしておりました。

ですが、新しいベアを生み出す努力は怠ることなく、コンテスト出展に向けてのベア作りを続けております。

コンテストへの挑戦は自分自身の技術向上もありますが、この挑戦が今までSugar Pumpkinsベアをお迎え頂いた皆様にとって

私自身が作家として評価をして頂くことが、

お迎え頂いたベアたちの価値を高める一つの方法ではないか。とも感じています。

前に前進したとしても。技術が向上したとしても。

やっぱり、いままで生み出してきた過去のベアたちの可愛さや良さはそのままで。

あの頃のあの子たちはもう二度と作れないのです。

Sugar Pumpkins

お迎えしたことを時間が経ったとしても良かったと感じていただきたい。

そんな風に考えています。

この度のコンテストでは有難いことに

第３０回テディベア　with　Friends　コンベンション内イベントコンテストにて

カテゴリー　C部門　金賞を受賞　させて頂きました。

服を着ていない、そのままの姿のベアたちの可愛さ。

これを追求することにこだわりがあります。

私の作品には、それを求めている人がいると考えているからです。

うれしい二度目の金賞、

次はいつかグランプリ、ドイツコンテストでの入賞、

目指していきたいと思います。

これまでの間、支えてくださったすべての皆様と私を評価してくださった日本テディベア協会の皆様。

投票と応援をくださった皆様、

当日のイベントを成功に導いてくださった関係者の皆様、本当にたくさんの方に感謝をしております。

小さな活動ではありますが、今後もお見守りください。

もちろん、お家探しのベアもある日突然、大放出します。

miho

コンテスト出展作品タイトル

平和の祈り　-柔らかで丸く、あたたかい光-　制作コンセプト

金色に輝く毛並みに真っ青な空色ブルーのお爪。

この子の制作コンセプトはウクライナ国旗カラーをテーマとした鮮やかな色が目を引くベアを作ろうと思いました。

コンベンションでもテーマに掲げられていた平和な世界への祈り。

昨年挑戦したドイツのコンテストはロシア、ウクライナの戦争により前代未聞のコンテスト中止宣言となり、

残念な気持ちと共に戦争の大きな影響に心が痛みました。

私のような一作家では何も出来ないけれど。テディベアを通して伝えられる気持ちについて考えてみたのです。

人の心は　柔らかくて。丸くて。小さくて、あたたかいものを見ると無条件に可愛い・愛らしいと感じるように出来ていると

頭の片隅の知識を思い出して。

何も考えず。可愛いもの、その存在を目の当たりにした時のやさしさや柔らかさ。

守ってあげたい気持ちをすべての人が僅かな時間だけでも感じてもらえたら。

その瞬間は、ほんの少しだけ世界が平和になるような気がしました。

このベアちゃんのもう一つの名前。

私は制作中にベアに通称を付けるのですが。

この子は直ぐに　ムーンチャイルド　という名前が浮かびました。

昔の映画ですが　ネバーエンディングストーリーに出てくる　新しい世界を名付けるシーン。

その名前がムーンチャイルドです。

映画の中では　滅びゆく世界に新しい名前を付けてとせがまれ　

新たな想像・創造で世界をまた作り出せるというエンディングにつながっていくのですが、

そこで主人公の男の子が嵐に向かって叫ぶ名前が　ムーンチャイルド

ふわふわのパンケーキだな。　ムーンチャイルド。

この子のまんまるなお月様の様なほっぺがそう思わせました。

子どもの絵本にある　おつきさまこんばんは　に出てくるまあるい月。

月の持つ柔らかな光もイメージにあり、ウクライナの麦畑と青空。金色の光と月の丸く柔らかなイメージ。

作品を作る時は様々なイメージが複雑に絡み合って一つに融合していくような感じを思い描くのですがそれをベアちゃんという

一人の存在に固めていきます。

　身体は以前制作したベビーモグちゃんからアレンジして新しく工夫した型紙と毛足の長さの切り替えを行いました。

ベビモグちゃんは多くの方から好評な子だったのですが、新しい子にベビモグちゃんの愛らしさと新しい魅力をプラスしていけたらと考えました。もっと肉感的に。むちむちした体系を意識していけたらと思いました。

　実は今までのベアではカールモヘアやウェーブモヘアを使用することが多く、この毛の流れから顔の立体感や表情に

逃げの余裕がある表現もあったのですが、

今回は敢えてストレートのアルパカモヘアで制作するということが密かな挑戦でした。

より形を精密に表現し、ごまかしの効かない作業に心を費やしてきました。

複雑な表情。身体の肉付きを少し感じていただけたら何よりです。

　制作活動がとてもゆっくりになり、販売もお休みをしていますが、進化の歩みは止めないでじっくりとベア作りに打ち込んでいます。

ストレートモヘアでの制作は苦手でした。カールやウェーブのモヘアでマズルが白のベアが少しシュガパンの定番になりつつあり、

そのためいつも作るいいお顔の方向性は見えてきているのですが、新しいことに取り組むことがまた一つ扉を開くかもしれません。

苦手のストレートモヘアに挑戦して。新しい魅力を探しに行きました。

なかなか可愛いお顔が見つからなくてとても苦戦しました！可愛いく仕上げることが今回の大いなる目標でした。

この子は以前制作したベビーモグちゃんのリニューアルが基本になったので、ベビモグちゃんみたいに愛らしくしたいと思いつつ、そこを超えた先を目指しました。

前回のドイツコンテスト同様に今はアンティーク風というか、オーソドックスなベア作りが一つのテーマにもなっているのでその部分もありつつ

自分なりの新しい表現を模索しています。

ムーちゃんは(この子の呼び名)ウクライナカラーの子ですが皆様に気に入っていただけたお爪やお目目にだけそのブルーを加えました。

小さな表現ですが、シュガパンの魅力の大事な部分がお爪とお目目です。

きれいに仕上げて、この子もやはり、いつかだれかの子になった時にお手手をたくさんナデナデしてもらえるように。

爪は一本一本丁寧につるつるに仕上げました。

自分で触ってみて、何か気になるところや引っ掛かりがあればすべてやり直し、小さなこだわりのなかで生まれました。

そして座り姿勢が少し後ろ体重になるように。ほんの少し足が前気味についています。

これは原型師であれば立ちポーズがいつも基本であり、立ち姿勢を常に意識しますが、テディベアは座りが基本姿勢なので

座りが可愛いと感じる角度をさがしてこのようになりました。足の角度によって調整が出来るのでお好み角度で✩

今回、金賞を受賞したベアちゃんですが、やはりいつかはグランプリを目指したいところです。

まだまだ挑戦は続きます！